花模様

Club Logo 10月度一泊ツーリング(東北方面)

2015/10/24/Sun.~25/Sat.

LOTUS Nose

紅(くれない)を 眺めし旅の 余白かな

 我がクラブの重鎮H氏もメンバーの「東北江蘭会」の名幹事I氏が企画してくださった会津磐梯秋のツーリングが今年も行われましたのでクラブロータスからH氏、N氏、ゲストのK氏、すれ違いになって合流出来ませんでしたがNK氏と私で参加して参りました。

 宿泊先はグランデコスキー場内のリゾートホテル「ホテルグランデコ」。1992年スキー場オープンに伴い併設されたリゾートホテルで昨年のツーリングに続き今年も豪華にリゾートライフを満喫して参りましたが、モダンロータスが一台も参加しなかった今回のツーリングではやはりと言うか、当然と言うか、すんなりと憧れのリゾートホテルにたどり着けませんでした。

 まず最初のトラブルは私自身が友部SA10時集合に30分遅刻!待って下さったN氏、ゲストのK氏にはお待たせして申し訳ありませんでした。
で、私を待っている間に第ニトラブル発生!ゲストK氏のエランの左ブレーキランプ、ウィンカーランプが点灯しない。取り敢えず走行に支障はないのでN氏のエランと私のエランでK氏のエランを挟んで友部SAを出発しました。
エラン3台で東北組と合流予定場所の磐越道五百川PAを目指して快調に走行を開始。天気は晴れて穏やか。水戸を過ぎれば交通量も一段と少なく快適なハイウェイ走行。途中中郷SAで一休みを挟み快走。道路脇の9.11原発事故後の放射線量表示の電光掲示板に少しビビリながらも磐越道阿武隈SAまで快適な走行でした。

阿武隈SAでN氏と私はラーメン、K氏がお蕎麦のまあまあ普通のお味の昼食を頂き五百川へ向けて出発となりました。エンジン始動して3台は無事に阿武隈SAを出発しました。実は出発時のエンジン始動で第三のトラブルの前兆が・・・エンジン始動にてこずって数回セルを回してやっとかかりました。
五百川PA2時集合の時間に余裕で着く時間で走り初めて数分後3台のエランの内の1台が走行中に突然エンジンが止まってしまいました。幸い路肩の無い狭い橋の部分を滑空して止めるのに十分な路肩のある場所までたどり着いて3台とも止める事が出来ました。忘れもしない52.9キロポスト。
とは言っても高速道路の路肩です。交通量は少ないとは言いながらも次から次へと脇を走り抜けて行く車やモーターサイクル!あまり気持ちの良いものではありません。幸い磐越道の制限時速は80キロ。良い子の皆さんはあまりスピードを出さないので、東名や中央道の路肩の様に怖い思いはあまりありませんでした。皆さん安全運転をありがとう。ですが、通り過ぎる皆さん必ずこちらを見て行くのです。視線が痛い!ありゃりゃ、ポルシェのドライバーが微笑んでいます。ハレーのライダーはまじまじとこちらを見てます。他所見運転しないでねー。さて時間も迫っていたので兎にも角にもまず三角表示板を出し、安全を確保してボンネットを開けて原因究明に取りかかりました。
一発でなぜエンジン始動しないか分かりました。火花が飛ばない!電気系統の故障と判明。さてそうは言っても、ではなぜ火花が飛ばないかを判断しなくてはなりません。ここで登場はフルトラ用の予備新品のローター。以前このローターが短絡してエンジンが止まった経験から予備のローターを積んでいました。さすがは海千山千のロータス乗り。これで解決と思いましたが残念ながら火花は飛びません・・・。フルトラのアンプが御臨終か?
ここで素早い決断!JAFを呼ぼうと相成りました。携帯電話のありがたい事。直ぐに連絡が取れて1時間15分でローダーを派遣するとことです。うん・・・1時間15分・・・バカに細かい時間指定だね。既に五百川に付いているはずのH氏に連絡を入れました。近場の修理屋の情報や、交換用のデスビ等を用意できると手を打ってくださいましたが、作業自体に時間がかかるのでJAFに運んで貰い、保管場所まで後日、お世話になっている川越の師匠に回収に来て貰う事にしました。
連絡から30分くらい立った時対向車線をJAFのローダーが通過し、ドライバーがこちらを見てうなずきましたのでIC辺りで引き返して来るのなら1時間15分よりかなり早くなるかなと安堵しました。しかし、結局予定通り1時間15分掛りようやく国際救助隊が到着しました。何故時間がかかったのか不思議でしたが、もう一台が登場し発煙筒を焚き、緊急表示の看板を設置するなどして安全確保してくれました。こうした連携プレーの準備に時間がかかったのですね。簡単にJAFを呼ぼうと言いますが、救援活動が如何に大変で、ありがたいものかとちょっと感激しました。

緊急停止した所の先にある船引美晴ICで降りて、ICの事務所に預ける事が出来るとJAFの親切な隊員に教えて貰い、IC事務所の所長にお願いして明日取りに来ると言う事で関係者以外立ち入り禁止の奥の駐車スペースに何かあっても責任は取らないとの条件でお預けしました。担当してくれたJAFの隊員さんも車好きな方で、フルトラ点火装置の事などしばし話題になりました。車好きな隊員さんで良かったー。駐車場の奥に置いた1台とはしばしの別れで3台だったエランが2台に。さびしい。
そのかわり、東北江蘭会とH氏も五百川で引き続き待っていてくれると言う事で、トラぶった割には1時間30分遅れの3時30分に五百川で無事合流出来ました。早めのJAFに救助を依頼すると決断した事が良かったのでしょうね。無理せずJAFかな・・・。
チェックインの時間も迫って来ているので、紅葉に染まるワインディングロードはキャンセルし五色沼を見学し記念撮影してちょっとだけ観光気分を味わいました。シャターを押してくださったオネーサンありがとう。ロータスは目立ちますね、駐車場では話しかけてる人が数名。意外と若い人が声を掛けてくれました。若者の自動車離れなんて誰が言ったか知りませんが、若者が振り向く魅力的な車が無いだけ?いややはりスポーツカーは目立つから?交流の楽しい一時を過ごし、途中で2台がガソリンを補給し一路ホテルグランデコを目指して小野川湖畔のワインディングを快調に走りました。それにしても紅葉の季節だけあって針葉樹の落ち葉など路面一杯に枯葉が敷き詰められているのでかなり慎重なドライビングになりましたが左手に小野川湖を望みながらの走行は遠くまで旅して来たんだと気分は最高潮。何とか明るいうちにホテルに無事到着しました。

今回の参加者は東北江蘭会の幹事I氏、KU氏、KY氏、ゲストK氏、クラブのH氏、N氏、ニューエランのKN氏、私の8名でしたが、エンジンストップのトラブルもあり時間通り五百川に到着できなかった影響度でクラブのKN氏とは合流出来ませんでした。日帰り参加を予定していたKN氏とは会えずじまいになってしまいました。申しわけありませんでした。
宿泊組は7名です。参加車両は合流出来なかったニューエラン、ロータス・コルチナ、エラン5台、ポルシェ911でした。先に書きました様にその内エラン1台が途中で御持ち帰りになってしまいしたが、エラン濃度がかなり高いツーリングになりました。ロータス・コルチナのI幹事も911のKY氏も別にエランを持っていて本日は諸般の事情によりお二人はエランでの参加を見合わせたそうです。

食事は8時からフランス料理だとの事です。うーん豪華!5時前にチェックインしたのでディナーまで3時間ありかなりのんびり出来ます。早速、大浴場に行ってリゾート気分を満喫です。露天風呂もあり最高!やはり日本のリゾートホテルは楽しいものです。大浴場=温泉があってこそのリゾート。とは言え標高1000メートル近い山岳ホテルだからでしょうが、露天風呂に入ろうと外に出たらなんとかなりの雨が降って来ました。暫く入っていましたが、雨の露天風呂もまた風情があって良いとまで言える様な粋人では無いので残念ですが、露天風呂からは早々に撤退しました。
お風呂から出たら部屋に集まってディナーの前の酒盛りです。風呂上がりのビールと名酒が五臓六腑に沁み渡ります。楽しい話に花が咲くと時間はあっという間に経って行きます。気が付けばもうディナーの時間。
ホテル内のレストラン「クレール」にてフレンチ料理のフルコースです。(メニューは写真を参照ください。)で合わせる飲み物は当然ワインでしょう!最初の前菜が「ブルゴーニュ風」ですから前菜から魚料理まではブルゴーニュの白、メインの肉料理からはブルゴーニの赤でしょう!
と、いう訳でゴーカなディナーと呼ぶにふさわしい夕食を堪能した参加者一同でした。気が付けば10時を回っており、周りを見渡せば他のお客は誰もいません。慌ててレストランを辞すると再び部屋に戻って酒盛りです。再び他愛もない話に花が咲きます。
しかし、ここで判明!皆んな悩んで大きくなった・・・いや歳取ったのでした。夜を徹してのロータス談義は若き頃の幻。11時過ぎると解散となり二部屋に分かれて就寝の時間と相成りました。外から聞こえるのは激しい、激しい雨音の響き!「雨音はショパンの響き」なんてロマンチックなものではありません。駐車場の車が心配でしたが、人間良くしたもので?激しい雨音を子守唄に何時の間にか寝てしまいました。

翌朝目が覚めると雨は止んで日が射す天気。朝、目が覚めたら当然お風呂でしょう。あーあっ、すっかり気分は温泉旅館に泊ったおじいさん気分。今度は雨に悩まされる事も無くのんびりと露天風呂を楽しみました。
お風呂の後は朝ご飯です。バイキング形式の朝食を頂きます。普段はそそくさと食べる朝食ですが、ホテルや旅館に泊まるとなぜか時間を掛けてのんびり食べます。これも旅の良さかもしれません。
帰り支度が済んだらいざ駐車場へ。昨日のすごい雨でドロップヘッドのエランにかぶせてあったボディーカバーに大きな水たまりが出来ていました。水たまりと言うより池の様です。やっぱりアユをお土産に生きたまま産地から直送かな。水気をふき取ったり、点検をしていると、なんとスキー場の山頂方向から白いものが飛んで来ました。「雪」ではないですか!初雪か、なんて喜んでいる場合ではありません。早く下界に下りなければ!
ところが、世の中良くしたもので?なんとコルチナがスターターは回れども一向にエンジンに火が入る気配がありません・・・。冗談はよしてちょうだい!幸い駐車場からは下へ下る一方のスキー場だったので押して道路まで出すと後は下り坂の勢いに任せての押し掛け・・・いや坂道を勝手に下ってくれるので引力掛けか?カーブの遥かい彼方に姿が見えなくなって暫くすると元気なロータスツインカムの音が聞こえてきて一同ホッと胸をなでおろしました。小一時間タイムロスの後下界に下りました。太陽は顔を出しているのに山の方から舞う雪にはらはらしながら国道459号線まで来た時と同じワインディングロードを軽快にぶっ飛ばして・・・雨に濡れた枯葉が道路一面を覆い恐ろしくって飛ばせませんでしたが・・・下りてきました。
緊張一杯の走行の後は休憩の為に諸橋近代美術館を見学する事になりました。国道459号線にでて猪苗代方面に数百メートルの左側にあるなかなか立派な美術館です。ここはサルバトーレ・ダリの諸作品を所蔵している事で有名な美術館です。ロータスのツーリングで美術館見学なんて粋と言うべきか、場違いと言うべきか、まあ、休憩と言う事で場所はどこでも良いですよね。ダリってダリダ?って溶けた様に垂れている時計の絵は皆さん観た事があると思います。そんな多くの作品の中にクラブロータスのメンバーに相応しい作品がありました。題名も「ミッシュランの奴隷」!ひょっとしてクラブ員は皆、ロータススに乗っているつもりで実は操られている「ロータスの奴隷」?柄にもなく美術作品なんぞ観たからか少しだけ哲学してしまいましたよ。

美術館見学と美術館の喫茶室で英国談義などしていたら、時は既にお昼。行列の出来ている有名お蕎麦屋さんはパスして、大きな蕎麦屋さんで昼食後、解散となりました。まだ日のあるうちに無事帰宅出来ました。東北のH氏並びに東北江蘭会の皆さん、幹事の労を頂き誠にありがとうございました。来年もグランデコでのリゾートライフツーリングを企画したいとH氏がおっしゃっておりました。振るってご参加ください。

後日団ですが、翌日の月曜日には高速ICに預けたエランは無事引き取られて修理工場に入庫したそうです。

レポート代筆 文責:古谷 和紀



Send Mail
Back
Top Page


花模様